武庫川女子大学
武庫川女子大学の岡崎先生に呼んでいただき,2年生の課題の講評に行ってきました.
建築学科は新しくできた学部で,ここでは欧米型の建築教育を目指し,真の建築家を育てるため6年制をとっていて,恵まれた環境の中で教師との対話型の設計演習が行われています.それだけに大学に入って初めての設計演習にもかかわらず,提案レベルは高く,彼女たちの努力の成果に驚かされました.中でも数名の案はキラリと光るものがあり才能を感じました.彼女たちの未来にエールを送れるような講評をしたいと思っていたのですが,後から考えると「こう言えばよかった」とか色々反省することしきりです.
キャンパスにはライトの弟子の遠藤新による設計で,水平線を強調し,シンボリックな双塔がそびえる美しい旧甲子園ホテルを当時の雰囲気をそのまま残し,コンバージョンした校舎と,新しく造られた新スタジオと呼ばれている校舎があります.新スタジオは日建設計の設計でRCとPCの混構造で,構造を表わしとした透明な空間にPCの柱や梁は遠藤のライト調の装飾とは違うものの,建築に魅力を与える同じような効果を発揮していた.2つの校舎はまったく違う表現ではあるものの,そこに何か繋がりを感じさせる要素がたくみに組み込まれていて,競演している.
歴史的な建物と,最新の技術で造られた校舎のそれぞれの空間やその中に流れる時間を体感しながら学ぶ学生達は本当に幸せだ.
神家昭雄