最近のスケッチから~as it is.~
オーナーの坂田和實さんが豪語する日本で一番入場者の少ない美術館.
公共の交通機関がなく,とても不便なところにある.でも今日は,建築家 中村好文さんの「すまいの風景」の企画展のため,多くの人が訪れている.
この建物の設計は中村さん.古道具界に独自の境地を切り開いてきた坂田さんの要望は「時間と共に美しくなっていく確かな材料を使ってほしい.」ということだったそうだ.だからこの建物は,土・木・竹・鉄などの自然素材で出来ていて,最近の美術館のイメージとはほど遠い.特に外壁の土は敷地の土を掘って塗ったものだそうだ.
竣工して13年経っているが,二人の思惑どおり場所にしっくりなじんで,とても心地良い.そして,美しい.
展覧会は中村さんの自宅がそのまま引っ越して来たようで大変興味深い.長年かかって身近に集まってきたものを展示している.
坂田さんとともに中村さんも目利きである.
神家昭雄