時空間
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神家昭雄
「朝のリレー」 谷川俊太郎
カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
元旦の朝、谷川俊太郎の「朝のリレー」を声を出して読んだ。コロナ禍の中、心に響く。
神家昭雄
写真:しんめんもく / 後藤健治
撮影日は抜群の秋晴れもあり、素敵な仕上がりとなりました。
居間-土間-庭 の繋がりと低い軒先が良い空間をつくりだしています。
スタッフK.I