頑張れ!切り株!
暖かかった先週と比べると,急に寒くなった気がします.まあ,年末なんだから「もっと寒くないと」ですよね!
さて,今日は現在進行中の再生現場のおもしろ風景の御紹介!
只今現場が順調に進むO邸再生工事ですが,外から見ると...どうですか?まったく工事が進んでないように見えますよね?
もともと外壁などの仕上げがきれいな状態だったので,そのままの仕上げを活かして再生しようと設計を進めていった住宅で,こうみえても,実はベタ基礎が既に施工されているんです.
基礎を施工したら次は「柱の寝起き」の調整です.建物は100年とか長い間に,地盤が下がったり,木がやせたりして,柱の足元と頭で1センチくらいは傾いているものです.その傾きを調べたりすることを「寝起きを見る」,垂直に調整することを「寝起きを整える/調整する」とか言うわけです.
この調整がなかなか大変な作業で,ゆっくりゆっくり傾いて,それから長い期間がたっているため,材料がその状態で安定しているというか,癖が付いているわけです.人の癖と同じような感じ?ですね.長い時間の中で見に付いた癖ってなかなか直らないですよね!だから大工さんは木の癖,建物に付いた癖を調べながら,決して無理はせず,そして甘やかさず,押したり引いたりして「ここっ!!!」ていうバランスで建物の寝起きを調整してくれるんです.(伝わりましたか...)
この住まいは,なかなかの頑固者だったらしく,大工さんも調整には苦労したようです.そこで現在頑張ってくれてるのが大きな切り株,いや切り株様!力強く,ワイヤーで小屋組みを引っ張り,癖を矯正してくれています.この状態で,柱や梁の入れ替え,耐力壁の挿入をしていけば,構造体として固まり,安定した状態になります.
なんか不思議な光景じゃないですか?
スタッフS.O