時代を読む住宅2題
・津波、地震
東日本大震災以来、沿岸部では津波に対する心配や不安が広がっています。この住宅は1階がコンクリート造、2階が木造の混構造です。先日、内藤廣氏(津波防災技術専門委員・東大名誉教授)の講演で、津波が心配される沿岸部の住宅は上記のような混構造の住宅が推奨されていました。
この住宅も海のすぐ近くに建ってます。この家を設計したのは震災前で、津波のことを考えていたわけではなく、敷地の条件から導き出された答えですが、内藤氏の話を聞いて、この地域で予想される津波に対しては、被害を最小限に抑えることができると思っています。沿岸部に建つ住宅のモデルケースにもなるのではないでしょうか。
独立行政法人森林総合研究所 実験住宅(住宅特集2011.12月号)
・省エネルギー
「近未来の木造住宅」設計コンペで最優秀賞に選ばれたもので、安全・快適・高耐久・省エネルギー・国産材の需要拡大に貢献する住宅が求められています。この住宅の特徴は、昨今の住宅が外部に対して閉鎖的で機械による快適性を求めているのに対し、建築のデザインで太陽熱を捕まえ蓄熱する工夫や、心地良い風を捕まえる工夫をし、自然エネルギーを利用した、冬暖かく、夏涼しい、人間的で省エネルギー・環境負荷の少ない暮らしができる住宅です。
現在、安全・快適・高耐久・省エネルギーに対する実験調査が国の予算で行われています。
神家昭雄