石と緑
竣工して1年がたったころでしょうか、
Iさんから
「庭をつくりたい」との相談を受けました。
こんな木をここに、
あんな木はあそこに・・・
新築の配置計画のときから
将来つくるであろう庭に思いをはせていたIさんと私たち。
それが現実のものになるとあって
心躍る打合せを重ねていると、
次に相談にきたIさんは
満面の笑顔で
「良い石に巡り合った、この石を使いたい」
そう言って写真をみせてくれました。
3M~4Mはあろうかという、大きな延べ石。
なんでも
ある建設会社が解体現場から出た石を大量に持っていて
「そんなに好きならあげらぁ~」
と譲ってもらったとのこと。
ここからは
いつも作庭をお願いしている
造園 武(タケ)の武村さんにチームの中心になってもらい
プランを考えていきました。
1.石を使うこと
2.緑を多く植えるのではなく、少ない本数を効果的に配すること
3.奥さまが育てた植物を庭に取り込むこと
4.Iさんのへそくりで予算をまかなうこと(笑)
これらの諸条件に対し、どのような回答をだすか・・・。
その回答がこちら。(Iさん、お留守にお邪魔しちゃいました・・・。)
玄関前には石と石を繋ぎ合わせた、緑に架かる橋のような彫刻を、
南の庭には島のように、舟のように延べ石を点在させ、
西の田んぼに面して石のベンチも設けてくれました。
私たちも
「建築」には全力を注ぎましたが、
「場」の魅力は「建築」のみにあらず・・・ですね。
この作庭後は
「緑」「石」の存在で
「場」としての魅力が断然増していました。
Iさんはこの季節、
きっとベンチに佇みながら、おいしいビールを飲んでいることと思います。
今回の仕事は
私たち事務所だけでも
クライアントだけでも
造園家だけでも
なしえなかったものだと思います。
それぞれのアイデアを昇華させ
実現させたクライアント、造園家、私たち・・・
「チームなんだな!」
と強く感じることができました。
Iさん、次は何しましょう?!
スタッフS.O