長谷川等伯『松林図屏風』
昨年、東博で松林図を人が少ない静かな時間の中で、一時間ほどじっくりと観る機会に恵まれた。
六曲一双の中に力強い松と遠くに雪山が描かれているのは屏風の半分だけ。残りは余白。
じっくりと眺めていると何も描かれていない余白に意識が引き込まれていく。
こんな経験は初めてのことだ。
等伯が描きたかったのはこの余白ではないだろうか。
余白こそが主題で、ここには大気・光・時間・日本人の自然観が表現されていると思う。
神家昭雄
昨年、東博で松林図を人が少ない静かな時間の中で、一時間ほどじっくりと観る機会に恵まれた。
六曲一双の中に力強い松と遠くに雪山が描かれているのは屏風の半分だけ。残りは余白。
じっくりと眺めていると何も描かれていない余白に意識が引き込まれていく。
こんな経験は初めてのことだ。
等伯が描きたかったのはこの余白ではないだろうか。
余白こそが主題で、ここには大気・光・時間・日本人の自然観が表現されていると思う。
神家昭雄