住宅建築2月号
住宅建築2月号に「今の家」を掲載していただきました.
編集後記で植林麻衣さんが
「年を重ねるごとにみずみずしい趣きを深められるように思われます.」
と評して下さっています.物をつくる人間にとっては,大変うれしい言葉です.
さらにそうなるべく,努力を重ねたいと思います.
神家昭雄
つくばの仕事が一段落したので、展覧会をいくつか見て廻った。
前から見たいと思っていた、日本を代表するデザイナー深澤直人と写真家、藤井保のコラボレーションによるTHE OUTLINE 見えていない輪郭展。
深澤直人のことばより、
「アウトラインとはモノの輪郭のことである。その輪郭はそのモノとそれを取り囲む周りの境界のことでもある。そのモノを取り囲んでいるのは空気だから、そのモノの形をした空気中の穴の輪郭はそのモノの輪郭と同じである。」と始まる。
そして「空気の穴をデザインしている。」と言うのである。
何だか禅問答のような言葉で始まる。
展示されているものはプロダクトとして販売されているものなので、知っているものも多数あるが、多くの作品を一同に並べて見ると、彼の思考は一つの線でつながっていて、タイトルの意味が少し見えてくる。
それをさらに意識させるのが藤井の輪郭をぼかした写真。モノの空気感をよく表していて、展示の構成が秀麗だと思った。
少し話はそれるが、会場にプロダクトの写真にまじって、なぜか1枚の大きく伸ばされた風景写真が展示されていた。深澤はヨーロッパの企業からデザイン依頼が多いので、海外取材の時に撮ったものと思われる。ヨーロッパではよく見るような川沿いの古い街並の写真で、観光地ではないのでその場所を当てることができる人はほとんどいないと思える風景だが、僕には見た瞬間にその場所が、バーゼルのホテルクラフトから見た風景だと思った。そしてキャプションに目をやると、ホテルクラフトからの眺めだと記されていた。
実は2年前、このホテルの食堂で朝食の合間に10分ほどで同じ風景をスケッチしていた。スケッチは短い時間の中でも対象を何度も何度も繰り返し見るので、自然と風景が体にしみ込んでくる。その時の天気や温度、匂いと共に。
次に銀座の松崎画廊で、お施主さんが書の展覧会に出品しているので出掛けた。この画廊はその世界では有名な画廊らしく、書の知識のない者には足が遠いところだ。それでも勇気を出して入るとS夫人が笑顔で迎えて下さり、ほっとする。書が読めないので説明を聞きながら見ていると、ひとつの言葉が目にとまった。老子の知無為有益と書かれた軸だ。
この言葉を見ながら先ほど見た深澤直人の世界がここに表されていると思った。そして彼の創造のひみつがわかったような気分になった。
2つの展覧会が僕の中でつながっていると不思議な体験をした。
神家昭雄
ちょっと更新が空いてしまったので,ここで事務所の近況報告.
・・・近未来の木造住宅,ラストスパート!
・・・近未来の木造住宅,ラストスパート!!
・・・近未来の木造住宅,ラストスパート!!!(注:工事は始まってませんよ)
実施図面の提出をゴールとすると,マラソンでいえば只今40キロ付近です.
おっと,ブログはここまで...所長もスタッフもラストスパート!です.
スタッフS.O
イヴの日にうれしい報告があります.
第1回JIA中国建築大賞(日本建築家協会主催)を住宅部門で受賞しました.審査委員長は尊敬する内藤廣(建築家・東大教授)氏です.賞をいただいたことは大変名誉なことですが,それ以上に内藤先生にお会いし,作品を見てもらい,評価いただいたことが一番の喜びです.
今年はいろいろ賞をいただきましたが,これも私たちの仕事をあたたかく見守って下さるお施主さんや,工務店の方々,それにいつも頑張ってくれているスタッフ,OG・OBのみんなのおかげです.感謝です.
建築の楽しさ,素晴らしさをもっと多くの人に届ければと思っています.
神家昭雄