神家農園近況
神家農園に行ってきました.
今日は,雨水がトマトに行き渡り過ぎないようにするための屋根かけ作業です.どうもトマトは水を与え過ぎると,甘さ半減,ひび割れの原因にもなる...とか.果実の細か~い毛?から空気中の水分を吸うらしいですよ.スパルタでこそ旨みがでる野菜というわけです.
あと,大物も...
わかります?...ちょっと葉っぱをどけると
夏ももうすぐ本番です...梅雨がおわれば.
スタッフS.O
今日は長年お世話になっている施主のTさんのところに打ち合わせに行ってきました.
十数年前,母屋の一部と離れを再生.昨年,もう一つの離れを再生させてもらい,そして今年,これまでにない「新しい」再生を計画し,もうすぐ着工の予定なんです!
「新しい」・・・?
構法・・・?使われ方・・・?はたまた・・・?
実はその再生する建物,それこそがこれまでに再生された事例がほとんどない(・・・ないはず)マスカットの温室なんです.
県外の方だったら「マスカットの温室・・・?普通のビニールハウスじゃないの?!」って感じですよね.でも下の写真を見てください.(Tさんのお宅のマスカット温室です.)
細い木造躯体に,ガラスの壁・屋根がなんとも簡素で,シャープな印象じゃないですか?
この温室,昼間は大きなガラス屋根から太陽の光をた~っぷり取り込み,長手方向の土壁×開口部×土壁×開口部×・・・と連続する開口部を調整して,天窓から熱を逃がしてやります.かたや夜間は長手方向の開口部・天窓を閉め,土壁に蓄熱された熱を放出するんです.
とても理にかなった,美しい建築じゃないですか!
この温室が岡山には未だに多く残っていて,活用されているんです!
Tさんもこれまで,10間の長さのこの温室で,無農薬マスカットを趣味で育てられていましたが,とても手間ひまがかかり,ここまで広い温室は必要ないとのこと.しかしこの温室を壊してしまうのはもったいない.そこで今回,この温室を「ギャラリー兼休憩所」(温室のまわりは季節の草花がいっぱいのハーブガーデン.夏場は手入れに大忙し)として再生する計画が持ちあがり,もうすぐ着工ということになったのです.
細かい計画はまだナイショ.工事の進展とともに,ブログにアップしていきます.
ちなみに母屋の一部と昨年再生した離れは,英国アンティーク小物やカリグラフィー,地元染色家の作品などを展示するギャラリーとして毎月3日間一般公開しています.そしてこの温室も再生後はこのギャラリーの仲間入りです.何が飾られるか楽しみです!!!
スタッフS.O
現在のマスカット温室
おまけに
夏の暑さに立ち向かう準備が整いました.
建物の周囲に水をまく,「打ち水」という行為はご存知ですよね?打ち水には地表面温度を下げ,周囲を涼しくする効果があるのですが,それ以上に太陽に照らされてキラキラ光る様子,水に濡れた土の香りや水をたっぷり吸った植物の緑は,視覚的・感覚的に夏を涼しくしてくれます.
事務所でも庭の緑たちに頻繁に水をやり,同時に打ち水効果を期待して夏を過ごしてきました.
・・・そこに昨日新たな仲間が加わりました.事務所正面には子供から年配の方まで,多くの方が利用する道が通っています.この道に面して,事務所の建物には通る人がちょっと見上げたくらいの高さに約5.5Mのコンクリート梁が渡っています.ここに今回,板金で横一列の長~いプランターを作り,屋上緑化等で用いられる特殊なプロック(緑化基盤材なるもので,培土+ポリエステル繊維でできたもの)をセットしました.
あとはそのブロックの穴にヘデラ・ヘリックスの苗をポコポコッと入れていきます.なんともかわいらしい苗で,大きな観葉植物のミニチュアみたいな感じです.
苗を入れ終わるとこんな感じに.このブロックが優れもので,昨日やった水が今日の夕方でもまだまだ残っている保水性の良さ!!!
事務所全景はこんな感じに.梁の上からチョコチョコのぞく緑がわかりますか?大きくなったら梁を越して下に緑が垂れていく予定です.以前プランターを何個か置いていた時はハシゴをかけて水をやっていましたが,今回はプランターに沿ってホースを設置し,簡単に水をやれるようになっています.(所長のお父さん作)
早く大きくなって,事務所に来られるお客さんや,前の道を通る人達がふと見上げた時に,ちょっと幸せな,ちょっと涼し気な気分になってくれたらうれしいです.
もちろんこれから毎日,僕達が出勤したときもこの緑が迎えてくれます!早く頭に当たるくらいにならんかな~・・・だいぶ先の話ですね.
スタッフS.O
武庫川女子大学の岡崎先生に呼んでいただき,2年生の課題の講評に行ってきました.
建築学科は新しくできた学部で,ここでは欧米型の建築教育を目指し,真の建築家を育てるため6年制をとっていて,恵まれた環境の中で教師との対話型の設計演習が行われています.それだけに大学に入って初めての設計演習にもかかわらず,提案レベルは高く,彼女たちの努力の成果に驚かされました.中でも数名の案はキラリと光るものがあり才能を感じました.彼女たちの未来にエールを送れるような講評をしたいと思っていたのですが,後から考えると「こう言えばよかった」とか色々反省することしきりです.
キャンパスにはライトの弟子の遠藤新による設計で,水平線を強調し,シンボリックな双塔がそびえる美しい旧甲子園ホテルを当時の雰囲気をそのまま残し,コンバージョンした校舎と,新しく造られた新スタジオと呼ばれている校舎があります.新スタジオは日建設計の設計でRCとPCの混構造で,構造を表わしとした透明な空間にPCの柱や梁は遠藤のライト調の装飾とは違うものの,建築に魅力を与える同じような効果を発揮していた.2つの校舎はまったく違う表現ではあるものの,そこに何か繋がりを感じさせる要素がたくみに組み込まれていて,競演している.
歴史的な建物と,最新の技術で造られた校舎のそれぞれの空間やその中に流れる時間を体感しながら学ぶ学生達は本当に幸せだ.
神家昭雄