マスカット温室 ~石積~
「HUTTE DE NOËL」ことマスカット温室再生工事は,石積の真っ最中.中心部に見える四角の箱は入口になる部分です.
「貼る」は2次元ですが,「積む」は3次元で石の癖を読みながら組み上げていく作業.一つ一つの石と向き合い「お前はどこに積まれたい!!!」なんて声が聞こえそうな現場でした.
次回をお楽しみに!
スタッフS.O
今日は長年お世話になっている施主のTさんのところに打ち合わせに行ってきました.
十数年前,母屋の一部と離れを再生.昨年,もう一つの離れを再生させてもらい,そして今年,これまでにない「新しい」再生を計画し,もうすぐ着工の予定なんです!
「新しい」・・・?
構法・・・?使われ方・・・?はたまた・・・?
実はその再生する建物,それこそがこれまでに再生された事例がほとんどない(・・・ないはず)マスカットの温室なんです.
県外の方だったら「マスカットの温室・・・?普通のビニールハウスじゃないの?!」って感じですよね.でも下の写真を見てください.(Tさんのお宅のマスカット温室です.)
細い木造躯体に,ガラスの壁・屋根がなんとも簡素で,シャープな印象じゃないですか?
この温室,昼間は大きなガラス屋根から太陽の光をた~っぷり取り込み,長手方向の土壁×開口部×土壁×開口部×・・・と連続する開口部を調整して,天窓から熱を逃がしてやります.かたや夜間は長手方向の開口部・天窓を閉め,土壁に蓄熱された熱を放出するんです.
とても理にかなった,美しい建築じゃないですか!
この温室が岡山には未だに多く残っていて,活用されているんです!
Tさんもこれまで,10間の長さのこの温室で,無農薬マスカットを趣味で育てられていましたが,とても手間ひまがかかり,ここまで広い温室は必要ないとのこと.しかしこの温室を壊してしまうのはもったいない.そこで今回,この温室を「ギャラリー兼休憩所」(温室のまわりは季節の草花がいっぱいのハーブガーデン.夏場は手入れに大忙し)として再生する計画が持ちあがり,もうすぐ着工ということになったのです.
細かい計画はまだナイショ.工事の進展とともに,ブログにアップしていきます.
ちなみに母屋の一部と昨年再生した離れは,英国アンティーク小物やカリグラフィー,地元染色家の作品などを展示するギャラリーとして毎月3日間一般公開しています.そしてこの温室も再生後はこのギャラリーの仲間入りです.何が飾られるか楽しみです!!!
スタッフS.O
現在のマスカット温室
おまけに